ヤフーとLINE経営統合報道が!
夜のテレビのニュースの速報「ヤフーとLINE経営統合」が報じられた。どうも日経新聞などが報道しているようだ。
PCの王者だったヤフーとスマホの雄LINEの補完関係
インターネットの黎明期はPCがネットの玄関だった。その時代に他を寄せ付けずポータルサイトとしてネットを支配していたのがヤフーだ。
広告収益とショッピング収益も安定しているが、スマホ化の流れの中でGAFAやメルカリなどのアプリ勢にシェアを奪われる状況が続いていた。
LINEはその代表格で、この数年で無料通話やメッセンジャーアプリとして、日本では圧倒的な地位を築かれてしまった。
モール事業に加え金融事業も拡大するIT界のライバル「楽天」に売上高でも上をいかれていた。2019年には楽天が第4の携帯電話事業者にも加わり、競争が激化するのが必須の状況。
2018年後半から勃発した「QRコード決済」戦争で、PayPayとLINEPayとしてぶつかっていたが、それ以外ではあまりバッティングは強くないので補完関係は高いのかもしれない。
LINEは開発投資やQR決済の販促で赤字
LINEはQRコード決済「LINEPay」の販促費やAI開発などの先行投資がかさみ、2019年1~9月期連結決算が純損益で339億円の赤字だった。PayPayに攻勢をかけられ対抗せざるを得ない状況でもあったのだろう。
LINEは国内で8000万人超の無料通話利用者を抱え、圧倒的なシェアを誇っている。ソフトバンクとは格安スマートフォン「LINEモバイル」で共同出資するなど協力関係もあった。
ヤフーの親会社は今年からホールディング制になり「Zホールディングス」で、その親会社がソフトバンクだ。今年ZOZOTOWNを買収したばかりで、ソフトバンクグループは投資事業で巨額の損失を計上するなど動きが激しい。
経営統合が実現すると楽天を超える?
互いに東証一部上場しており、Zホールディングスの連結売上高は9547億円と、LINEの2071億円を合わせると楽天の1兆1,014億を抜き、国内ネット企業で売上高がトップになる。
しかし、ネットの世界はGAFAや中国勢のプラットフォーマーが席巻しており、国内市場のみで争っていても遅れをとるだけだ。
おそらく、QRコード決済争いも現在は乱立しているが、すでにシェア争いの消耗戦に入っており、資本力の大きい携帯電話事業4社を中心に終息していくのではないかと思う。
金融分野の再編は銀行・証券・カードとまだ展開中なので、各社の動向を注視していきたい。
赤字決算のメルカリの動向も気になる。ヤフーと楽天はそれぞれフリマサービスを展開しているので、通信以外の収益力を強化しているNTTドコモとKDDIあたりがカギを握るかもしれない。