KDDIとローソンは2019年12月16日に業務提携で基本合意した。携帯キャリア4社がQR決済やポイントサービスで熾烈な競争を繰り広げ、小売大手も巻き込んだ争いが新たな局面に入りました。
携帯大手とコンビニ大手の連携で対抗
au経済圏を目指すKDDIと、ローソン陣営が中心に展開する共通ポイント「Ponta」が、ドコモのdポイントと楽天の楽天スーパーポイントの勢いに対抗するべく、お互いの思惑が一致し連携することで共通ポイントとQR決済のシェア獲得を狙う形になっている。
- KDDIが120億円超でローソンに2%程度出資
- ローソンの親会社「三菱商事」から「ポンタ」運営会社の株式約20%買取
- KDDIのau Pay等で「ポンタ」を使えるようにポイント共通化
- Pontaやローソンアプリに「auPay」を搭載
岐路に立つコンビニ業界
大手3社のコンビニの店舗数は以下の通りだ。
- 首位のセブンイレブンが約21000店
- 2位のファミリーマートが約16500店
- 3位のローソンは約15000店
イオン系のミニストップ以外の統廃合も一段落している。
コンビニ業界は出店増による成長が鈍化し、加盟店との関係も人手不足が影響しこれまでの展開を見直す時代に来ている。
デジタル技術やキャッシュレス決済など顧客への細かな対応が不可欠になっている。KDDIとローソンは早期に提携効果を引き出し、ソフトバンクがYahoo・LINEの統合という手を打ち、混沌とする携帯キャリアと決済市場の競合に対抗する考えがお互いに一致した格好だ。
Yahoo!とLINE経営統合が影響?
Yahoo!とLINEの経営統合でIT業界の再編が2019年後半の目玉でしたが、その動向が新たな連携加速を生み出したのは間違いありません。
PayPayとLINEpayというQR決済の一角の統合。QR決済においては圧倒的な勢力になり各社の対応が迫られていた。
ヤフーは共通ポイントの一角であるTポイントからPayPayへの転換を進めており、QR決済と共通ポイントの展開が今後の動向が流動的になってきた。
ドコモ・ソフトバンク・楽天の動向
auとponta連携という展開により、携帯キャリアと決済と共通ポイントが2020年以降に新たな展開が確実に発生する。
すでに楽天が傘下のぐるなびのポイント交換から、楽天以外のポイントを排除する動きを発表しており、dポイントで優位に立っていたドコモも何らかの動向があるはずだ。
ソフトバンク陣営もPayPay中心は変わらないものの、Tポイントとの関係も新たな展開が生まれるかもしれない。