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GAFAなどのデジタル動向やグルメや買い物

YahooとLINE経営統合へ。背景にGAFAや中国など巨大IT勢への危機感。

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ヤフーとLINEの経営統合が発表

日本のインターネットの歴史の中で、歴史的な統合を迎えた。日本のポータル市場を制覇したヤフーと、日本で独自に無料通信アプリとして圧倒的な地位を築いたLINEの経営統合だ。

 

楽天を抜き日本最大のIT企業グループへ

月間利用者はYahoo!が6743万人LINEが8200万人と圧倒的なシェアを誇る。売上高もZホールディングスとLINEの連結売上高は合計で約1兆1600億円で、楽天の約1兆1000億円を上回り、国内のネット企業でトップに立った。

とはいえ世界市場の巨大IT企業の売り上げははるかに大きい。Amazon1社だけで25兆円規模だ。

中国もEC市場規模は日本を大きく引き離し、モバイルも5Gがすでに開始されるなど、BATと呼ばれる百度・アリババ・テンセントの3社が圧倒的な企業規模を誇っている。

GAFAや中国巨大IT企業への危機感が背景

世界はGAFAと中国の巨大IT企業が席巻している。時価総額ではGoogleAmazonは80兆円を超えるが、ソフトバンクグループでも9兆円程度だ。

AIやQR決済やビッグデータなどに伴う開発の効率化も高めていかないと、世界の市場で対抗は難しい。

世界の巨大IT企業の研究開発投資額や、優秀な人材の確保など、今後もますます競争力に大きな差が開き続けることが予測できる。

 

重なるサービスはどうなっていく?

ポータルとして圧倒的なコンテンツ量を持つYahooが、コンテンツとショッピングは中心に統合されていくと予測できる。

LINEの無料通話アプリは圧倒的なシェアを持ち、Yahooはメッセンジャーをすでに停止しており被ることはない。

検索はYahooはGoogleと提携しており、LINEはNAVERなので調整が必要になりそうだ。ただし、この分野はGoogleの開発力が大きく、独自に開発を進めるのが厳しいかもしれない。

今シェア争いが激しいQR決済は、すでに2000万人のシェアを超えたPayPayが中心になるのが順当か。LINEPayは非接触決済のQUICPayとも連携しているので、PayPayと口座が統合されれば便利になる。

ポイントはPayPayボーナスとTポイントのYahooと、LINEポイントになるが、これもPayPayに統合されていくのか?Tポイントはますますいらなくなりそうな予感。

 

国内の消耗戦を抑制も独禁法の懸念。

ヤフーとLINEの連合に、実質対抗できるのは楽天を筆頭にNTTドコモauの3社になるだろう。いぜれも独自の会員組織とポイントと決済など、経済圏を築く争いをしており、携帯電話事業者としての4社が国内IT市場を形成していく。

国内での公正取引委員会独占禁止法の判断は懸念が残る。ただ、国内の独占などを見ていると世界市場での競争の観点からどのような判断がされるのか注目される。